「歯槽膿漏」や「歯周病」歯茎にはさまざまな病気があります

「歯茎の病気」と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。歯周病、歯肉炎、歯槽膿漏、歯周炎…。
確かにどれも耳にしたことはあるけど、似たような言葉もあって、よくわかりませんよね。それぞれの違いも、言葉だけでは理解できなかったりもします。

歯は、健康のバロメーター。歯や歯茎の健康が損なわれると、体のあちこちに悪影響が及び、病気にもなりやすくなります。
それを防ぐためにも、歯茎の病気について知っておきましょう。

歯茎の病気を合わせて『歯周病』と呼びます

歯茎の病気にはいろいろな名称が付いているものがありますが、それらをまとめて『歯周病』と呼んでいます。

中でも最もインパクトがあり多くの人が「怖い病気」という意識を持っているのが『歯槽膿漏』ですが、これも歯周病の一つであり、状態が最も悪いものであると認識しておくといいでしょう。

歯の土台である歯槽骨から漏れ出た膿を表現するために、それらの字を充て歯槽膿漏と呼んでおり、以前は歯周病とは分けて使われることもありましたが、今では前述の通り、同じものとして扱われ、まとめて『歯周病』と表現されるようになってきています。

ただ、非常に恐怖を煽る字の並びとなっているため、今でも一部商品やデンタルクリニックなどの宣伝に用いられています。

軽度な歯周病である『歯肉炎』

歯茎の病気の一つ、また、歯周病の一つである歯肉炎、これは比較的軽度なものを指して使われる言葉です。
若年層が多く発症し、痛みも伴わないため、さほど気にされることがありません。

歯肉と呼ばれる部分が赤くなる、特に強い刺激を与えていないのに血が出やすくなるなどの症状がありますが、それ以外の自覚症状に乏しい病気であるのが特徴です。

歯肉炎の状態であれば、正しい方法での歯磨きなど日々のケアで健康な歯茎に戻すことができます。

重度な歯周病である歯周炎・歯槽膿漏

歯肉炎と少しややこしいのが『歯周炎』です。漢字の並びも似ていますが、これらは違う病気なので、しっかりと覚えておきましょう。

歯周炎も歯肉炎と同じく、歯周病の一つであることには変わりありません。異なるのは症状の重さ。
30代以降が多く発症し、歯肉だけではなく歯の土台となっている骨が溶けるなどの状態になってしまうのが歯周炎。いきなりこれになるわけではなく、その前段階として歯肉炎があるのです。

骨が溶ければ、そこに細菌や汚れが侵入し、さらに状態は悪化。やがては『歯槽膿漏』と呼ばれる状態になり、膿による口臭を発するとともに、土台が崩れ、遂には歯を失ってしまいます。

歯周病が悪化すると現れる症状の数々

歯周病は歯肉炎と呼ばれる軽度なものから始まりますが、それが歯周炎、そして歯槽膿漏となれば、それに伴いひどい症状にも見舞われます。
どのような症状が出るのか、順を追って見てみましょう。

歯茎が赤くなり腫れが見られる

歯周病になると歯茎が炎症を起こしますが、これにより赤くなったり腫れたりする症状が見られるようになります。
症状がさらにひどくなると、そこに触れた時に痛みを感じるようになります。

出血しやすくなる

ちょっとした刺激、例えば歯を軽く磨いただけでも血が出やすくなります。これは、歯茎が炎症を起こしているためです。
ひどくなると膿が発生し、ネバネバとした不快感を口内に感じます。

物を噛めないほどの痛みを感じる

歯周病の症状が進行すると骨を溶かすまでになるので、その影響で物をしっかりと噛めなくなります。
噛もうとした時に痛みを感じることもあり、そうなるとかなり状況は深刻になってきていると言ってもいいでしょう。

歯の白い面積が多くなったように感じる

見た目の変化で言えば、歯の面積が広がったように感じることがあります。
これは実際に歯が大きくなったわけでも伸びたわけでもなく、歯茎が下がったことにより、そう見えているのです。

歯間が広がることによる弊害

歯周病によって骨が溶けてしまうと、歯が定位置を保てなくなり、それにより歯と歯の間に距離ができてしまいます。
こうなれば、例えば食べたものが挟まったりもしますし、“すきっ歯”と呼ばれるような状態になり、見た目の印象にも弊害が出てきます。

歯が前に出てしまう

これも見た目の印象に関わることですが、骨が溶けて歯が位置を保てなくなると、上下の歯のバランスが崩れ出っ歯と呼ばれる状態になりやすくなります。

知覚過敏が進行する

ひどい歯周病ではなくても知覚過敏によって痛みを感じることはありますが、歯周病で歯茎が落ち込めば口に入れたものが神経に到達しやすくなり、極端な温度のものに、より敏感となるため、頻繁に痛みを感じることになるでしょう。

周囲も敬遠するような口臭の発生

歯周病、特に症状が悪化して歯槽膿漏と呼ばれる状態になると発生するのが口臭です。膿が出ているわけですから当然の症状です。

激痛とひどい腫れの症状

免疫力の低下、体力の低下、これらによって急激な痛みが歯茎に走ることがあります。また、この時には大きな腫れも伴うでしょう。
急性発作的に起こる症状であり、こうなった時には早急な治療が必要です。

歯茎の病気を甘く見ないこと

歯茎の病気である歯周病について、いろいろと見てきました。幾つかの段階があり、それによって名称も変わってくるのですが、共通しているのは、早めに対処しなければいけないということ。
もし歯槽膿漏になどなってしまえば、顔の印象も変わり、好きなものも食べられなくなり、口臭が発生し、最後の最後には歯のない状態になってしまいます。痛いだけではない、非常に大きな代償を支払わなければならないのが、歯周病なのです。

特に、歯肉炎の状態の時には自覚症状もなく、虫歯などのような痛みや歯がしみるなども感じないため、歯周炎などになってから後悔する人も少なくはありません。
しかし、その状態になってしまってはもう手遅れ。

絶対に油断することなく、また、甘く見ることなく、異変を感じたら、いえ、健康な状態だと思っていても、こまめに歯科医院に行き状態をチェックしてもらった方がいいでしょう。