歯周病と糖尿病の関係性とは?

歯の病気である歯周病と、重症になると日常生活も困難になる糖尿病。この二つの病気は、どのような相関関係にあるのか見ていきましょう。

この二つの病気の関連性とは?

糖尿病と歯周病を関連づけることは、普通の人には難しいかもしれません。

しかし、歯周病は糖尿病患者がなりやすい病気の一つであるということは、しばしば言われてきました。しかも、歯周病の症状が悪化するケースが多く、長く糖尿病に悩んでいる人は、より歯周病にかかりやすいことも、研究によって明らかになってきています。

事実、糖尿病ではない人と比べると、糖尿病の人がその後、歯周病にかかる確率は、およそ2倍にものぼるというデータが存在しているのです。

未だに謎を残している部分はあるものの、糖尿病と歯周病という二つの病気には、何らかの関連性があることは否定できないでしょう。

生活習慣がもたらす二つの病気

この二つの病気、どちらにも当てはまることがあるとすれば、それは、『生活習慣がもたらす病気であること』でしょう。

偏った食生活、極度の運動不足、過剰なストレス、不適切な睡眠時間や睡眠環境、こうしたものが続けば糖尿病を患うリスクが高まりますし、それと同時に、歯周病を患うリスクも高まるのです。

無関係に見える二つの病気が、実は同じような生活習慣でもたらされる、ここは重要なポイントとして押さえておく必要があるでしょう。

血糖値に影響をもたらす歯周病

糖尿病と深い関わりを持つのが、血糖値です。そして、この血糖値は、歯周病とも関連が深いとされています。
どちらも血糖値が異常となれば発症する病気であるため、この点でも共通点があると言えそうです。

実際に、血糖値が高くなると排尿量や頻度が多くなるので、水分が奪われ唾液の量が減り、歯周病にかかりやすくなってしまいます。
唾液が細菌の繁殖を抑え、口内環境を整え歯周病を防いでくれていることを考えれば、ごくごく当たり前のこと。
血糖値が異常に高くなれば抵抗力や回復力も低下するので、それも菌の繁殖を助長してしまい、やはり歯周病の原因となります。

糖尿病にかかっている人は歯周病が悪化しやすいというのは、この辺りに原因がありそうです。

歯周病によって歯を失うことによる

上で説明したように、糖尿病に罹患していると、その影響で歯周病にもなりやすい傾向がある、これについてはご理解いただけたと思います。
ではその逆、歯周病を患っている人が糖尿病も患いやすい理由、それはどこにあるのでしょう。

一つは、歯周病による歯の喪失、これが考えられます。
歯槽膿漏と呼ばれる状態になると、多くは歯を失うことになるでしょう。歯を失えば食べ物を効果的に消化することが難しくなり、その結果、血糖値の異常上昇につながってしまいます。
そのような生活を続けれていれば、やがて糖尿病になってしまうことも、想像に難くないのではないでしょうか。

インスリンの働きが弱まることによる

上がってしまった血糖値を下げる役割を持っているホルモンの一種『インスリン』。これの働きが弱まると糖尿病にかかりやすくなってしまいます。

歯周病を患っている人の口の中には、その病気の原因となる細菌が多く繁殖しているのですが、それを抑えるために『サイトカイン』と呼ばれる物質を分泌しています。
このサイトカインがインスリンの働きを弱まらせ、血糖値の異常上昇を食い止めることができなくなってしまうのです。

糖尿病予備軍となってしまっている人の体では膵臓から効率よくインスリンが分泌されないため、血糖値を下げることができずに、本格的な糖尿病となってしまう恐れが出てくるわけです。

何よりもまずは生活習慣の改善から

以上のようなことから、歯周病を患っている人は、糖尿病に罹患してしまう可能性が高いと考えられます。それを未然に防ぐには、やはり何と言っても生活習慣を改善することから取り組むべきでしょう。

タバコは歯周病を悪化させるものの一つです。量を減らすか、体のためにも禁煙に乗り出してみてください。

歯を食い縛り過ぎるのもよくありません。口呼吸は口の中を空気中の汚染物質で満たすことになりますから、できれば鼻呼吸を心がけましょう。
もし無意識な時や寝ている最中、鼻呼吸が自然とできない、あるいは歯ぎしりの症状が多発するようであれば、耳鼻咽喉科、または歯科医院などに行き、改善・治療を試みましょう。

歯を弱らせる原因となる柔らかい食べ物、こればかりを食べるのではなく、葉や歯茎を鍛える硬い食べ物も口にするようにしましょう。
また、血糖値を急激に上昇させるような糖分の多い食べ物は控えるようにしてください。これは飲み物にも言えます。
特に、飲食した後に全く動かないと血糖値を下げることができないので、昼寝の前や就寝する前に糖分の多いものを口にするのは避けましょう。

日々の歯磨きも意識すること

毎日丁寧に歯を磨くこと、これが歯周病を改善し、延いては、糖尿病を患ってしまうことを避ける予防法となります。

歯磨きは、歯ブラシと磨き方によって成り立っています。どちらが欠けてもいけません。
歯ブラシは、できれば『ふつう』の硬さのものを選びましょう。極端に柔らかいとしっかりと磨けない可能性があり、極端に硬いと歯や歯茎を傷つけてしまいます。
また、ヘッドが大きすぎるものは避け、毛先のまとまっている歯ブラシを選択するといいでしょう。

歯を磨く時は、角度(約45度)を意識して磨くようにします。その際、歯と歯茎の間を磨くように、しかし、力を入れすぎずに磨くことがポイントとなります。
すべての歯をひとまとめに考えるのではなく、1本1本丁寧に磨くようにしましょう。1本の歯に対して30から40回ほど動かすと綺麗に磨くことができます。

歯の間などに詰まった汚れは、市販のデンタルフロスなどを利用すると簡単に取ることができるはずです。

歯周病の症状が出てきたときには、できれば歯科医院に行き、歯石や歯垢を除去してもらい、且つ、指導を仰ぐようにしてください。
適切なプラークコントロールができれば、歯周病を改善し、糖尿病を避けることにも繋がるでしょう。