歯槽膿漏とは歯を失ってしまう病気のこと

『歯槽膿漏』という言葉は、誰しもが耳にしたことがあるでしょう。しかし、それが一体どんな症状で、どんな病気なのか知っている人は残念ながらごくわずかなようです。

これではいけません。今触れたように、歯槽膿漏は病気であり、放っておけば、それが歯の土台となる基礎を溶かし、二度と手に入れることができない自分の歯を失ってしまうかもしれないのです。
歯を失えば、それがその他の部位、例えば内臓や関節、筋肉などにも影響を及ぼすと言われています。それくらい大事な歯を失う可能性があるのが歯槽膿漏の怖さ。

まだ症状が出ていないうちに歯槽膿漏について知り、そして予防の意識を持っておくことが求められます。歯槽膿漏になってしまった時の治療法なども合わせて紹介していきましょう。

歯肉炎から始まる歯周病

歯の周辺の病気や炎症などのことをまとめて『歯周病』と表現します。その中でも初期の炎症の段階は、『歯肉炎』などと呼ばれており、この段階であれば、歯茎が赤くなったり膨らんだりするだけの症状なので、放っておくのはいけませんが、過剰に心配する必要はありません。
刺激によって血が出ることがありますが、それ以外の症状は痛みも含めて非常に少ないため、特に気にしない人が多いようです。

しかし、この歯肉炎が歯周病の始まりだということは知っておくべきでしょう。症状が悪化すると炎症もひどくなり血もさらに出やすくなります。痛みも出てくれば、それは次の段階である『歯周炎』と診断されてしまうでしょう。

歯槽膿漏になってしまうと?

歯周炎は、そのまま治療もせずに放っておくとさらに悪化し、歯をしっかりと固定することができなくなってきます。歯茎が徐々に下がり始め、見える歯の面積が徐々に広くなっていきます。
ここまでくると痛みでだけではなく、膿の症状が出始め、それが臭いニオイを発するなど、口臭の症状も出てきてしまいます。これが歯槽膿漏です。

歯槽膿漏は歯周病の中でも特に症状が進行した状態。治療せずにいれば、そのまま歯を失うことになるでしょう。

歯周病の最終段階が歯槽膿漏

上で説明したように、歯槽膿漏というのは、歯周病の最終段階であり、最も酷い状態のこと。
きっかけはとても些細なことであり、軽い炎症からスタートします。しかし、そのまま症状が進行すれば歯の土台となる骨や歯茎にまでその影響が及び、歯を失うことになるのです。

実は、日本人は、この歯周病の悪化によって歯を失ってしまう割合が最も多いとされています。そのことを認識しておくこと、これが歯槽膿漏の予防の第一歩となるのかもしれません。

自分の大事な歯を守りたければ、歯槽膿漏になる前に治療に取り掛かること。つまり、歯周病の初期段階で手を打っておくことが重要となってきます。
できれば、歯肉炎の状態の時に、歯磨きの仕方や食生活、睡眠環境の改善やストレス発散など、生活習慣の改善を心がけ、症状の進行を予防しておきたいところです。

しかし、歯肉炎の状態の時は自覚症状がほとんどないため、なかなか積極的に予防に乗り出すことが難しい。時間や経済的な問題で、それができないという人もいるでしょう。あるいは、歯科医にかかるのが嫌だと感じている人もいるかもしれません。
自分の歯を守るためにその意識を変えること、ここから始めるようにしてください。

生活改善などによる自分の力で症状を抑えることができるのは歯肉炎まで。それよりも症状が進行してしまうと歯科医にかからなければ、治療するのは困難なものとなってしまいます。

歯槽膿漏の具体的な治療法を紹介する前に、なぜ歯槽膿漏が発症してしまうのか、これについて知っておきましょう。
ここまで読んでいただいて大体わかっていただけたと思いますが、始まりは歯肉炎です。歯肉炎は歯を不潔にしているとなる症状。細菌が発生し、それがきっかけとなって、やがて歯槽膿漏となっていくのです。

しかし、それだけではありません。他の病気と同じように、遺伝も関連しているということがわかってきています。両親や祖父母など近縁関係に歯周病にかかっている人がいる場合には、より注意が必要となるかもしれません。

薬品を使用した治療方法

自分の歯にフィットするマウスピースを特注で作り、そこに歯槽膿漏を治療するための薬品を塗って患部に充てていく方法は、『3DS』と呼ばれています。
治療時間は5分ほどと短く済み、歯周病の原因となる細菌を根こそぎなくしてくれることから、非常に有効な治療法として広がりつつあります。

外科手術による治療方法

歯と歯茎の間にある、俗に言う『歯周ポケット』、ここが歯槽膿漏によって深くなってしまうと歯垢や歯石を容易に取り除くことはできなくなります。この場合、外科的な手術によりこれらを取り除く他ありません。
いわゆる『フラップ手術』と呼ばれる治療法です。

他には、溶けてしまった骨を再生する治療方法(エムドゲイン療法)や、それが難しければ人工骨を用い、状態を改善する方法がとられることもあるでしょう。

歯科医にお願いするしかありません

歯槽膿漏にまで症状が進行してしまうと、市販の薬では太刀打ちできません。生活改善などを積極的に行っても、治療は不可能です。
ここまで症状が悪化してしまったら、歯科医にかかり、薬品か外科的な手術による治療によって、根本的に治していく他はないでしょう。

まとめ

もう永久に生え変わることのない歯を失うかもしれない、歯槽膿漏はそのサインとも捉えることができます。そのサインを無視し続ければ、歯を失うことに待ったをかけることはできなくなるでしょう。

最悪の事態を回避するための意識や治療法などについて触れてきましたが、やはり一番は早急な対応です。
歯槽膿漏を甘く見てはいけません。これを念頭に、日々強く意識しながら予防や対策に励むようにしてください。