2022.04.18
乳歯のむし歯予防
こんにちは、院長の吉田哲也です!
あっという間に桜満開の季節も過ぎ、日によっては夏を感じるような時期ですね。
私事ですが、、先日、娘が幼稚園に入園いたしました!
第一子なので我が家にとって初めての大イベントです。
園服を着てしっかりと椅子に座り、入園式を行なっている姿は胸にぐっとくるものがありますね。
産まれたばかりの頃を思い出し、妻と成長を喜びました。
そんな娘は2月に3歳になったばかりなのですが、この3歳という時期、実は歯にとって大切な時期です。
この年頃の多くのお子さんが上下左右に5本ずつ、計20本の乳歯が生えそろっています。
中には元々の歯の卵の数が違い、20本ではない子もいますがそれはそれで個性の一つだと思ってあげて下さい。ただその本数や、歯のない部分、歯が多い部分などによっては今後の永久歯に影響が出ることもありますので気になる方は遠慮なくご相談くださいね。
話が逸れてしまいましたが、この奥歯まで20本生えそろった時期は今まで以上にブラッシングが重要となってきます。
というのも、仕上げ磨きをしていると前歯と奥歯では歯の形が大きく違うことにお気づきなのではないでしょうか。
前歯は先端が尖っていたり、細く鋭利な形になっていますが、奥歯には平らな噛む面が存在します。
この平らな面にはよりスムーズに食べ物を噛み砕くために細かな溝が入っており、この溝の奥深くに食べ物が詰まったりするとむし歯の原因となるのです。
むし歯の菌はツルツルした所よりもこういった凸凹した複雑な形の所に居つきやすく、そして歯を溶かします。
そのため、この奥歯が生えそろう前よりも、生えそろった2歳半あたりからのこの時期が何よりもむし歯に注意していただきたいのです。
むし歯対策の具体例としては、
①フッ素塗布
②シーラント
③仕上げ磨き
の3つが挙げられます。
まず1つ目のフッ素塗布ですが、、
昨今はCMなどでも良く流れているためフッ素が歯に良いということをご存知の方も多いと思います。
具体的には、フッ素の作用で歯の表面がむし歯に強いものに変化したり、ごく初期のむし歯になりかけている部分の修復を促したり、むし歯菌の動きを抑えたりと、歯にとって良いことがたくさんあります。
海外などで問題となったことのある過剰なフッ素摂取による中毒症をご心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、日本では海外のように水道水へのフッ素添加や食物などへのフッ素添加といった日常的にフッ素を多量に摂取する習慣はありませんので適正なフッ素塗布を行っているようであればそういったご心配はありませんので安心して下さいね。
2つ目のシーラントは、、
このシーラントという言葉は歯科専門用語になりますので聞き慣れない方も多いと思います。
難しい呼び方をしてはいますが、簡単に言えば、奥歯の溝をあらかじめ流動性の高いプラスチック材料で埋めてしまうことで、溝に食べカスなどむし歯の原因となりうるものが入らないように予防する処置のことを言います。
この時に使用するプラスチック材料は、一般的なむし歯の処置で用いる材料と基本的な組成は同じものになります。
ポイントとしては、奥歯の溝にすでにむし歯ができてしまっていると溝の中にむし歯菌を封じ込めてしまい、その中でむし歯が進んでしまいかねないため行えません。ですので、歯が生えてすぐに行うことをオススメしている方法となります。
そして3つ目ですが、、
この時期のむし歯の予防で一番大切なのはやはり保護者の方の仕上げ磨きです。
毎日お子さんのお口の中を見て、お掃除をしてあげる、それが何よりも重要となってきます。
フッ素塗布をして、シーラントをしたからもう大丈夫、そうはいきません。
いくら歯を強くしても、いくらむし歯の菌がつきにくい環境を作っても、しっかりとしたブラッシングが行われていなければ歯に汚れは溜まり、増えた細菌はいずれむし歯を引き起こしてしまいます。
日々の歯の汚れをいかに減らすか、それをできるのはお子さんを大切に思う保護者の方々だけです。
当院では、むし歯を予防するためのフッ素塗布、シーラント処置の他に、仕上げ磨きなどについてのブラッシング相談も行っています。
ご希望の方は、確実に時間を確保するためにご予約の際にそうお伝えいただければと思います。
3歳というこの時期、自分で色々やりたい年頃のようで娘もなかなか親の思う通りには仕上げ磨きをさせてはくれません。
時にはその攻防戦に疲れ果ててしまい、今日くらいいかな、、と頭によぎることもあります。
ですが、歯は生涯の友、子供の将来の健康のためにと思い直し日々闘っています。
同じ子を持つ親として少しでも何かお力になれたらと思います。
院長 吉田哲也